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自他共に尊重するコミュニケーションとは?

転職を考えてキャリア面談をされる方々に共通する悩みの1つとして、職場での人間関係やコミュニケーションが挙げられます。特に入職して間もない新人職員は分からないことがあっても先輩にどのタイミングでどのように質問したらよいのか分からないのが当然です。この現象は国内だけでなく、グローバル化をはじめとする社会変化により価値観が多様化している現代、人間関係のストレスによるメンタル不全へと繋がっています。そこで推奨されているのが自他共に尊重する『アサーティブ・コミュニケーション』です。


本日のコラムのポイント


・自他共に尊重するアサーティブ・コミュニケーションとは?


・3つのコミュニケーションスタイル

①アグレッシブ(aggressive) 

②ノンアサーティブ(non-assertive/passive) 

③アサーティブ(assertive) 


・アサーティブ・コミュニケーションを支える4つの柱

①誠実

②率直

③対等

④自己責任



 

・自他共に尊重するアサーティブ・コミュニケーションとは?


 アサーティブ・コミュニケーションとは相手や自分のどちらかが一方的に言いたいことを我慢するのではなく、人間関係にも配慮しながら、「言いにくいけれども本当に伝えたいこと」を適切に伝えるための“アサーティブ”なコミュニケーションスタイルです。そのようなコミュニケーションスキルを習得することでハラスメントの防止や社員のメンタルヘルス向上へと繋がります。


 

・3つのコミュニケーションスタイル


対人関係の持ち方において考えられるコミュニケーションスタイルは下記の3つです。


①アグレッシブ(aggressive) 

②ノンアサーティブ(non-assertive/passive) 

③アサーティブ(assertive) 


①アグレッシブ(aggressive) ー 自分だけ

自分本位であり、他人を踏みにじるようなやり方をする「攻撃的」なコミュニケーション


アグレッシブとは、攻撃タイプを意味します。自身の気持ちや意見を主張することができる一方で、相手の気持ちや意見を尊重できていないのがアグレッシブタイプです。


≪アグレッシブ・コミュニケーションの特徴≫

・自分のことだけを考える

・相手の気持ちや意見を無視する

・攻撃的な表現で自身の意思を全うする

・自分が一番であることにこだわる

・勝ち負けへの執着が強い


②ノンアサーティブ(non-assertive/passive) ー 相手だけ

常に自分よりも他者を優先し、自分のことを後回しにしがちな「非主張的」なコミュニケーション


ノンアサーティブとは、非主張タイプを意味します。相手の気持ちや意見を考えることができる一方で、自分の気持ちや意見を伝えることができない、もしくは苦手と感じるのがノンアサーティブタイプです。


≪ノンアサーティブ・コミュニケーションの特徴≫

・自己主張が控えめ、もしくは苦手

・曖昧な表現が多い

・言い訳が口癖

・自分よりも相手を優先してしまう

・頼まれたら断れない

・相手に気を遣える反面、相手にも気を遣ってほしい、言わなくてもわかってほしいと考える


③アサーティブ(assertive) ー 相手も自分も

自他を尊重するコミュニケーション


アサーティブはアグレッシブとノンアサーティブの中間に位置します。自分の気持ちや意見をはっきりと言うことができ、同時に相手の気持ちや意見を尊重することができます。


≪アサーティブ・コミュニケーションの特徴≫

・場に沿った適切な表現を選択できる

・相手の気持ちや意見を受け止められる

・自分の気持ちや意見をはっきりと主張できる

・相手と意見が対立しても、お互いが納得できる結論を導くことができる


 

・アサーティブ・コミュニケーションを支える4つの柱


①誠実

自分と相手、どちらも尊重していることを示すため、誠実な態度と言葉選びを心がけます。相手と自分の主張・意見が食い違っていても、厳しく反論したり、自分を押し殺して無条件に賛同したりせず、自分に対しても相手に対しても嘘をつかず、誠実さを貫きます。いったん相手の考えを受け止めつつ、自分自身の考えも丁寧に示すという誠実さがあれば、自分本位で攻撃的な姿勢も、自己主張を抑え過ぎた受け身のコミュニケーションも避けることができます。


②率直 “I”メッセージ

自分の気持ち・意見を率直に伝える。感情的な口調にならず、相手の反応を見ながらすぐさま主張を曲げるようなこともありません。主語はあくまで「私」であり、たとえば「みんながそう言っています」など第三者の主張に置き換えません。曖昧・遠回しな表現を避け、自分はどう思っているのかをストレートに、相手に伝わる言葉で主張することが大切です。


③対等

上司と部下、先輩と後輩、取引先・発注先など、自分と相手の立場の違いや力関係に左右されることなく、対等な関係で意見を交換します。立場の違いによって自分の意志を曲げたり、強い立場であることを利用して自分の意見を押し付けたり、立場が弱いからといって自分の主張を押し殺したりしません。“上から目線”になることも卑屈になることもなく、対等な態度と心持ちで相手と向き合うことが大切です。


④自己責任

自分の主張が通らなかったとしても、また意見交換によって決まったことがどのような結果をもたらしたとしても、その責任は相手だけでなく自分にもあるという自覚を持つこと。「だから言ったのに」という責任転嫁や「実はこう思っていた」といった後出しの言い訳をすることなく、言った責任も言わなかった責任も自分が引き受けることが大切です。


 

アサーティブ・コミュニケーションのスキルを身に付けると良好な人間関係を築くことができるようになります。自己の主張のみで相手を萎縮させてしまうアグレッシブなコミュニケーションや、相手の主張のみを受け入れ自分に強いストレスを強いてしまうノンアサーティブなコミュニケーションでは、互いの関係性を長期的に築いていくことはできません。アサーティブ・コミュニケーションを身につけられれば、双方が気持ちよくコミュニケーションを交わすことができ、結果として良好な人間関係を築くことが可能になり、ひいては組織のコミュニケーションを活性化することにも繋がります。アサーティブ・コミュニケーションはスキルの1つですので訓練さえすれば誰でも身に付けることができるようになります。まずはあなたから。共によりよい人間関係を構築して参りましょう。


​(参考文献:国家資格キャリアコンサルタント JCDA教科書)


筑波大学 働く人への心理支援開発研究センター 






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