私たちは誰しも「認めてもらいたい」「分かってほしい」と思うものですよね。実は「承認」には2つのタイプがあります。それが ドーパミン的承認 と オキシトシン的承認 です。この違いを知ることで、もっと心地よく、健全な人間関係を築けるようになります。
◆ドーパミン的承認の特徴◆

①結果にフォーカス
ドーパミン的承認は、成果や成功に焦点を当てています。相手を「評価する」行為であり、支配的な関係を生み出す可能性があります。
②縦の関係
上下関係が強く、一方的に相手を評価するような関係です。相手を依存的にする傾向があります。
(例)
●減点する
テストで間違えた部分を減点する。結果に重点を置き、努力や成長を軽視する。
●支配と依存の関係
「私の言うことを聞けば褒めてあげる」というような、一方的に相手をコントロールするような関係を構築する。
●評価的態度
「あなたはできる子」や「あなたはダメな子」と、相手を評価するような言葉で接する。
◆オキシトシン的承認の特徴◆

①プロセスにフォーカス
オキシトシン的承認は、努力や成長のプロセスに注目します。相手を「勇気づける」行為であり、相互尊敬に基づいた関係を築くことができます。
②横の関係
対等な関係であり、お互いを尊重し、信頼し合う関係です。相手を自律的にする傾向があります。
(例)
●減点しない
テストで間違えた部分も、努力を認め、励ます言葉をかけ、成長を促す。
●相互尊敬、相互信頼の関係
相手を尊重し、信頼し、対等な立場として接する。相手を理解しようと努める。
●共感的態度
相手の気持ちを理解し、共感する。相手の立場に立って考える。
◆アドラー心理学的「やってはいけない褒め方」
アドラー心理学では、ドーパミン的承認は「やってはいけない『褒め方』」とされています。なぜなら、相手を依存的にし、自己肯定感を阻害する可能性があるからです。
(例)
「すごいね!天才だね!」「よくできたね!」というような褒め方は、相手の努力を軽視し、結果だけに注目していることを示しています。
◆アドラー心理学「勇気づけ」
アドラー心理学では、オキシトシン的承認を「勇気づけ」と呼びます。相手を自律的にし、自己肯定感を育む効果があります。
(例)
「よく頑張ったね!」「難しい課題に挑戦して、すごいね!」というような言葉は、相手の努力を認め、その行動を称賛しています。
「ドーパミン的承認」と「オキシトシン的承認」の違いを知ることは、人間関係をより良くするカギになります。相手を評価するのではなく、「頑張ってるね」「成長してるね」と、その努力や変化に目を向けてみませんか? 共感や信頼を大切にすることで、もっと温かい関係が築けるはずです。
(参考文献)精神科医が見つけた3つの幸福 樺沢紫苑 著
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